上海自由貿易区の物流と管理体制について
上海自由貿易区(FTZ)は「自由貿易区」と呼ばれていますが、完全に自由な貿易が行われているわけではなく、中国政府の管理下にある特殊なエリア です。つまり、「管理された自由貿易区」としての性質を持っています。
上海自由貿易区における物流の流れ
- 日本からの輸入品はまず上海自由貿易区の保税倉庫へ保管
- 小ロットでも大量ロットでも輸送可能。
- 大量輸送が可能なため、輸送コストを抑えられる。
- 自由貿易区の保税倉庫を経由することで、効率的な配送が可能
- 商品は保税倉庫で管理され、中国国内の注文が入った時点で発送される。
- 中国全土の個人客に対して宅配便で配送 される仕組み。
- 個人向け配送は「行郵通関(簡易通関)」が適用
- 500元以下の商品は免税。
- 500元を超える商品には「行郵税(簡易関税)」がかかる。
- 法人向けの大量購入には通常の一般通関が適用 される。
- 物流は指定業者のみが対応
- 上海自由貿易区の指定業者 が個別配送を担当。
- 行郵通関を利用できるのは、自由貿易区内に法人登記している企業のみ。
「自由貿易区」=本当に自由なのか?
自由貿易区(FTZ)という名称から、完全に規制がないように思われるかもしれませんが、実際には以下のような 「管理された自由」 になっています。
- 政府の管理下で特定の企業のみが参入可能
- 指定の貿易業者、物流業者、ECサイトを通さないと参入できない。
- つまり、政府のコントロールのもとで運営されている。
- 貿易の自由度は限定的(特に試験運用の段階)
- 現時点では、実験的に導入 されており、本格的にオープンした状態ではない。
- 政府の政策次第で、規制が強化される可能性もある。
- ビジネスチャンスはあるが、参入障壁が高い
- 中国国内市場向けに直接販売できるため、大きなチャンスではあるが、
- 指定された業者と提携する必要がある ため、自由競争とは言い難い。
まとめ
✔ 上海自由貿易区は、実質的には「管理された自由貿易区」
✔ 行郵通関を利用すれば、500元以下の商品は免税で個別配送が可能
✔ 法人向けの大量購入には通常の一般通関が適用される
✔ 参入するには、指定の貿易業者・物流業者と提携する必要がある
✔ 本格的な市場開放ではなく、実験的な段階のため、政策次第で規制が変わる可能性あり
ビジネスチャンスはあるものの、自由貿易区=完全自由ではなく、政府の管理下で運営されている点に注意が必要 です。